いまこの部屋での生活を快適にすること

半年くらい前まで、
「ここじゃない部屋」のレイアウトや
暮らし方を空想していたことがあった。

半分は現実の準備として、半分は現実逃避として。

完全な夢物語ではなく十分に実現可能な構想で
そのための段取りを少しずつ考えていたつもりだけれど、
どこかで現在の生活環境から目をそむけていた気がする。

実現に少し時間がかかりそうな気がしてきたこともあり、
しばらく妄想はやめることにした。

そうするとどうなるかというと、
「まあ、いいか、そのうち引っ越すのだし」
と見送っていたこの部屋の改善点に
もう少し取り組もうという気持ちになってくる。

1年や2年のことで
下手にお金をかけたくないけど、
3年や4年、あるいは
それ以上になるかもしれないなら、
もう少しだけお金をかけて
快適な暮らしを目指してもいいのかもしれない。

というわけで、洋服かけを新しくしたり、
懸念だったカーテンや寝具を替えたりしている。

そしてもうひとつ、
いまのこの部屋を快適にしたいと
あらためて思う理由を思い出した。

ミニマリズムに憧れるようになって、
ネット上でいろいろな
お部屋を見させてもらってきたが、
規模や造りの違いはあれど、
どこもほんとうにきれいで、
そういうお宅を見たあとわが家をふり返って、
悲しくなったり情けなくなったりしていた。

努力以前の問題もあるし、
努力以後の問題もある。

しかし、思い出すのだ私。

離婚して、都外から東京にもどってきて、
幼子を抱えて不動産屋さんをめぐった
あの日のことを。

引越しの経験は数あれど、
幼子抱えた母子家庭の母としての新居さがしは
初めてだった。

いくつかの不動産屋さんと
いくつかの部屋をまわって
途中で途方に暮れつつも
ご縁があって入居できたこのマンション。

あのときのことを思えば、
この部屋が夢の御殿に思えてくる……
……ということはさすがにないが、
とにかく自分のいまのこの状況で
住める場所があることそのもの
ありがたいと思わねばと
今一度、自分に言いきかせている。

あちこち傷んでいる
築35年の賃貸マンションではあるが、
築35年という数字も意外とわるくないかもしれない。

新しいと気をつかうし、
もうしばらくは取り壊しということは
たぶんないと思うし。(ないと願いたい)

いまの私の年齢、状況からして
引越しはたいへんに難しいと思われるので、
もうしばらくこの部屋でお世話になることを前提に
日々の快適さを目指そうと思う
きょうこのごろなのだった。