森田療法のこと

強迫性障害のための治療法として

森田療法というものがある。

 

個人名がついた方法論には

抵抗を感じてしまいがちな自分だけれど、

何かのきっかけで関連した本を読むようになり、

すっかりはまってしまった。

 

ちなみにこの療法をつくった森田正馬自身は

森田療法とは言っていなかったらしい。

自然療法と言っていたらしい。

 

森田療法については「あるがまま」という

有名な言葉がある。

 

端的にまとめるにはよい言葉だけれど、

文字通りにとると誤解してしまいかねない

言葉でもあると思う。

 

現在、うちにある強迫性障害の本は14冊。

そのうち森田療法の本は9冊。

すべて紙の本として保管してある。

 

そんなに読んでも治らんのかい⁉

という話もあるが、

なんというのかもうすでに読み物として

コレクションしている感じになっている。

 

強迫性障害に関わる本を読むと、

「そうそうそうそう、そうなのよ!」

と自分のことをわかってもらった気がして

うれしかったり、

「へえ、そんな症状もあるのかぁ」

と驚いたりするのだけれど、

それとは別に、森田正馬の考えに触れると、

ある種の痛快さを感じる。

 

「結局、強迫神経症(強迫性障害)の人って、  

 自意識過剰で自己中心的なんだよね」

と言われているような気がして、

いっそすがすがしいのだ。

 

言い方をかえると、

強迫性障害に対する憐憫の目を感じない。

 

その正直さとピュアさ、

同じ地に立ったうえでの厳しさが小気味よく、

降参して、ふっと笑みがもれるような心持ちになる。

 

といっても、もし、森田療法を知らない人が

最初の1冊を選ぶとしたら、 そういう小気味よさよりも、

わかりやすさ、 やさしさを感じられる本のほうが

いいかもしれない。

 

その場合、私が読んだなかでいえば、

次の2冊のうちのどちらかがいいのではないかと思う。

 

 岩井寛『森田療法』 (講談社現代新書)

 明念倫子『強迫神経症の世界を生きて―私がつかんだ森田療法』

 

前者は精神科医が書いた本で、

それなりに有名な本なのではないかと思う。

森田療法の芯がくっきりすっきり示されたうえで

岩井寛独自の考え方・生き方も示されている。

 

後者は強迫性障害の体験者であり、

自助グループ「生活の発見会」などで

活動されている方の書いた本。

読みやすくて、全体的にやさしい雰囲気。

 

森田療法そのものに興味がある人は前者、

弱めの強迫性障害でいま現在疲れている人は

後者がいいかもしれない。

(強めの強迫性障害で悩んでいる方は

 病院へ行ったほうがいいと思います)

 

なお、森田療法にこだわらなければ

他にもいくつかよい本があるので

それについてはまたあらためて言及したい。