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米田智彦『デジタルデトックスのすすめ』(まとめ)/むしろ、つながるために

米田智彦『デジタルデトックスのすすめ』を読んできた。

まだまだ考えたいことはあるのだけれど、
この本については今回で一区切りにすることにして、
「おわりに」から、次の部分を抜き出そうと思う。

 繰り返しになりますが、僕はこうしたテクノロジーを否定しているわけではありません。ノマド・トーキョーがそうであったように、ソーシャルメディアの最大の魅力は、偶然性による人との出会いやコミュニケーションだと、今でも強く思います。
 ネット依存、スマホ中毒といった「情報害」を避けつつも、リアルな自分を取り戻して、ワクワクするような出会いやコミュニケーションをもたらすことを肯定したい------こうした自分自身の関心から発して、試みた「デジタルデトックス」ですが、多くの人と直にコミュニケーションを交わすうち、これが自分だけの問題とは思えなくなっていました。
「なんのためにそのテクノロジーを使うのか?」という原点にもう一度立ち戻って、せっかく万民に開かれ、無限の可能性を持ったネットやスマホ、SNSをより良く使いこなそう。この本を手にしたみなさんと、こうした思いを共有できることを願ってやみません。
(p.170〜171)

「自分だけの問題とは思えなくなった」
「こうした思いを共有できることを願ってやみません」
というフレーズに、この本のスタンスを感じるし、共感する。

だから最初に()、
ネットやSNSのある生活、
またはネットやSNSのない生活に、
イライラも不安も違和感も疑問も疲れも
一切感じたことがない人は、
この本を手にする必要はないと思う。
(いや、手にしてもいいと思いますが…)

しかし、そうではない人は、
少なからずいるのではないだろうか。
と書いたのだった。

たとえば前回、
「不当なスマホ批判」という文章に触発されて、記事を1つ追加
という記事を書いたけれど、
『デジタルデトックスのすすめ』は
“すすめ”であって、テクノロジーの発達や
スマホやSNSの普及を“批判”するものではない。

社会的な影響云々の前に、
「自分はどうなのか?」から
考えていくものだと思う。

「そんなにスマホにばかり向かっていると、
 スマホ中毒になるよ、デジタルデトックスしたら?」
と他人に忠告するものではなく、
私はどうしたいのか、どうありたいのか、
という話なのだと思う。

米田さんは終章の締めくくりで、
デジタルデトックスの真の目的は、
愛されたい、認められたいという欲望が、
ネットやSNSに渦巻いている時代にあって、
自分が自分らしく
主体的に生きていくことにあると感じている、
と書いておられる。

この“主体的に”というのは、
私のシンプルライフへの興味の根底にあるテーマだ。

つまり、これまでの消費社会の話でいえば、
「買わされる生活から、買う生活へ」
という言い回しだったところを、
「使わされる生活から、使う生活へ」
と言い換えれば、
デジタルデトックスの目的になるのだと思う。

 なお、米田さんは、「使わされる」ではなく、
 さらに進めて「(ネットやスマホに)使われている」
 という言葉を出している。

インターネットやSNSで、
物理的距離をものともせず、
人々とつながれるようになった。

…はずなのだが、実際は、
さほどつながってないんじゃないか?

と思うことがある。

むしろ、考えようによっては、
孤独が深まっているのではないか?
と感じることさえある。

生活を快適にしてくれるはずのモノを
たくさん買っているはずなのに、
なぜか生活がガサガサしてしまうことがあるように。

ひとりぼっちの孤独というよりは、別の淋しさ、
見たくはなかった人間のもろさ、
引き受けられないだれかの弱さが、
回線を通して伝わってくる。

それに自分のもろさや弱さが呼応する。

そこからはなれたいのに、なぜかコントロールできない。

そういうことが起こっているとしたら、それは
使わされている、あるいは、使われている
状態になっているということなのではなかろうか。

そうではなくて、使うこと。

だって、ネットは面白いし、
たくさんの可能性がある。
これを使わない手はない。

ネットから得られる栄養をしっかりと受けとめるために、
自分の心身の状態を整えること、
そのひとつの方法が、
デジタルデトックスなのだと思う。

なお、私は米田さんのことを、
現代ビジネスの次の座談会で知ったのだけれど
http://www.ustream.tv/recorded/19198532
その後、現代ビジネスの別の座談会に出会った。↓
佐々木俊尚×田原総一朗×80年代生まれの若者4人
「公共が壊れていく時代をぼくたちはどう生きていくのか」

(動画)https://www.youtube.com/watch?v=3G4yFIVH6nc
(説明)http://gendai.ismedia.jp/articles/-/31938

で、この座談会に出席されている
慎泰俊(しん・てじゅん)さんのTwitterを読みに行ったら、
こんなことが書いてあったしだい。↓

 


実際にやってみると、
(最初は予想以上の禁断症状が出るかもしれないけれど、)
その心地よさがわかってきて、
人にすすめたくなるのかもしれないな。

と、まだ実行しないままに思う自分。

でも、実行しなくても、そこから何かを考えるだけでも、
得られるものがありました。

 2014.03.11 Tuesday 10:32 『デジタルデトックスのすすめ』 permalink