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そういえばまだ紹介していなかった強迫神経症のおすすめ本

森田療法系列ではない、
強迫神経症のおすすめ本をまだ書いていなかった↓

田村浩二『実体験に基づく強迫性障害克服の鉄則35』(文芸社)


これまで強迫神経症の本を何冊か読んできたけれど、
森田療法以外ではいちばんおすすめ。

何がおすすめかというと、読んでいて、
「ああ、この著者、強迫神経症の人のことよくわかってる」
と感じられるから。

それもそのはず、何しろ著者は体験者。
書物や自分自身の工夫で
強迫神経症(著者は強迫性障害という言葉を使用)
を克服してきた方なのだ。
 

 薬などは確かに、精神科医でないと処方できませんが、強迫性障害を治す手助けは、なにも医者でないとできないわけではないと常々考えております。むしろ、その分野に明るくない精神科医に掛かるくらいなら、体験者の体験談を聞いた方が余程効果的だと考えます。

 (「はじめに」より)

なるほど、医者にかかったことはないけれど、
確かにそうなのかもしれない。

なお、個人的には、この本が有効なのは、
軽度の方の場合、強迫神経症というより
強迫神経症気質---という用語があるわけではなく、
私が勝手に使っているだけなのだけれど---
の場合なのではないかと感じている。
(重い人は、やっぱり専門家の力を借りたほうがいいと思う)

ちなみに、いま手元になくてうろ覚えなので
書名はふせてリンクも控えるけれども、
もっと重度の人たちの話が含まれている本もあり、
この本を読んだときには、「私は強迫神経症ではない、
私ごときを強迫神経症と言ってはいけない」
としみじみ思ったものだった。

専門医はこういう人たちのためにある、
私くらいのレベルの人は自分でなんとかしないと・・・
とも思った。

まあ、いまだ克服できずにいる私だけれど、
自分でなんとかする道はある、ということは感じている。

さて、田村浩二さんが示している
強迫性障害を克服するための35の鉄則について、
私が特に「なるほどねぇ」と思ったのは次の9項目。


 1.今、やろうとしていることが、強迫行為かどうか、
  少しでも迷ったら、それは強迫行為である。

 2.少なくとも、強迫行為をしようかどうか迷った時は、
  絶対してはいけない。

 8.考えてはいけない。頭の中で、あれこれ考えたり、
  回想したりしないこと。考えれば考える程、正解から
  遠ざかる。強迫性障害の人は、とにかく物事を深く
  考え過ぎである。

 10.安心しようとして行う行為は、必ず新たな不安を
  生み出す。つまり、強迫観念は飛び火する。

 15.微かながらでも大丈夫ではないか、なんとなく
  大丈夫ではないかと感じたら、大丈夫である。

 16.気にするから気になる。

 17.第三者の視点で物事を判断し、行動すべし。

 20.まず安心してからがんばろうとすることは、
  やめるべし。不安のままがんばるべきである。

 25.強迫性障害の人が思っていること、あるいは
  感じていることは、100%間違っていたり、全く
  根拠のないものではないかもしれないところが
  やっかいなところではあるが、その思いや感じ方
  は、明らかに行き過ぎていることも事実である。 


森田療法系列ではないと書いたが、
20番などはそのまま森田療法につながる話だと思う。

私がこのなかでいちばん有効と感じているのは、10番。

そうなのだ、強迫観念は飛び火するのだ。
1つの不安を消すための確認は次の不安を生み、
その不安の強さが増していくのが常。

明念典子さんも
『強迫神経症の世界を生きて―私がつかんだ森田療法』
の中で書いておられたが、
強迫行為には拡散するという性質がある。

これはもう、私もいやというほど体験ずみ。

なのに、やっちゃうのだ。

思うに、あることに対して不安になるのではなく、
本人にそのつもりはなくても
いつでも不安になる準備ができていて
もっといえば不安を探していて
(もちろん、本人は正反対の気持ちでいるのだが)
その不安を待っている“くぼみ”に
ビー玉がころんとはまるように、
何かのはずみで具体的な不安要素がはまり、
そうなるとビー玉をはずしたくなり、
なんとかはずすのだけれど“くぼみ”は残ったままで、
その残った“くぼみ”が次のビー玉を欲し、
先ほどよりも大きなビー玉がころんとはまる・・・

といったような連鎖反応が起こる気がしている。

しかも場合によっては、
不安をはらうためにやった確認行為が、
実際にだれかに迷惑をかける、ということも起こる。
たとえば、何かが気になって、確認に行って、
いそいでもどろうとしたら、人にぶつかった・・・
というふうに。

この場合は、不安の飛び火ではなく、
現実に自分の不安に他人を巻き込んだことになる。
1回目の不安は自分のなかの思いこみだが、
それをはらうための確認行為が起こしたことは、
現実なのだ。

なのに加害恐怖だなんて、自分でも笑っちゃう。
だけどやめられない。
それがこの気質の辛さなのだ。

というわけで、
何かに不安になるのはしかたがないとしても、
それをはらうための確認行為はけっこうリスキーなのだから、
確認行為やめようよ〜と自分を説得している最中なのだ。

なお、田村浩二さんがあげている35番目の鉄則は、

 35.これらの鉄則も、実行しなければ意味がない。

というもの。

                     ですよね〜〜
 

 2012.07.05 Thursday 14:41 強迫神経症 permalink